2020
19
Apr

礼文島ブログ

【最終話】 旅の始まりはいつも晴れ






礼文島に来て1年




この島で、たくさんの人たちを見送ってきた




離島という空間は、やっぱり特別なものだと思う




周囲を海に囲まれているから、車やバスで行くこともできない。





簡単に訪れることができないからこそ、「特別」な何かがあるような気がする。









そして、島での別れもまた特別で、



次はいつ会えるかわからないけど、必ず「いってらっしゃい」といって見送る。









人生は一期一会だなんてよくいうけれど、

離島のお見送りほど、一期一会を感じるものもなかなか無いんじゃないだろうか。






礼文島の大好きな宿、桃岩荘に貼ってあった曲





旅の始まりはいつも晴れ


雪が溶けて、季節が変わる

心が弾む

新しい靴を履いたら、旅に出かけよう

雨が降ったら、少し休めばいい

止まぬ雨など、どこにもないから

旅の始まりはいつも晴れ、行く先はいつも晴れ

晴れの始まりはいつも旅

心はいつも晴れ



一人旅だけど、いつも一人じゃなかった

たくさんの仲間が、いつか出会う日を待ってる

暮れゆく空に心惑わされて

進むか戻るかで、泣くのはもうやめよう

旅のいく先は風任せ

いくあても決めずに

頭の上には太陽が、僕らを見守っている

トンネルを出ればいつも晴れ

いく後もいつも晴れ

旅の始まりはいつも晴れ

僕たちはいつも晴れ

僕たちはいつも晴れ







2019年夏、桃岩荘で仲間たちと歌ったこの歌が、

いつまでも心の中に残っている




泣きたくなるほど寂しくて、

悲しいほど切ない歌




そんな歌を思い出しながら、、、





2020年。3月末のやや肌寒い日。






礼文島を離れる日がやってきた。




「やってきた」というか、「やってきてしまった」というべきなのか、




とうとう「その日」になってしまった。








ちなみに、「その日」を迎える1週間前くらいから、


「食べ納め」といって礼文島の好きなお店にいって暴飲暴食の限りを尽くしていたんだけど・・・・


いつも食べている双葉さんの味噌ラーメンをチャーシュー大盛りにしてみたり。





喫茶海cafeさんで、大人気のホッケバーガーを食べたり。。。





海鮮処かふかさんで海鮮フライ定食を食べたり。





礼文島の定番、ホッケのチャンチャン焼きを食べたり。




居酒屋光栄丸さん。ここもたくさんお世話になったなあ。

たちかまバター。

たちかまとは、スケトウ鱈のかまぼこのことで、それをバター焼きしたもの。
礼文島は鱈も美味しいです。

お世話になったご夫婦ともご挨拶をしてきました。



そして最後は福まささんにて

ホッケ天丼と

たちかまのお寿司。

ここのご主人にもたくさんお世話になったなあ・・・





コロナウイルスの影響でどこも大変だと思うから、最後くらい少しでもお金を落としてから島を出ようと思っていたのに、


お店の方や一緒に食べた方にも、お別れだからと、最後にたくさん奢っていただいて、なんだか最後まで島の人たちの暖かさに触れてしまった。






食べ物も美味しいし、本当に島を出るのが寂しい。。。






いくら名残惜しんでいても、寂しくても、別れの時は着々と近づいてくる。





とうとうやってきてしまった「その日」

チケットを買って、フェリーに乗り込む。




お世話になった職場の方々がお見送りに来てくれました。




この島で一年間、何人もの人たちをお見送りしてきたけれど



実際に自分が見送られる側になると、なんだか足下がフワフワして、不思議に気持ちになってしまう。






少しずつ、礼文島が離れていく。



(あそこの端っこにある知床の街並みは綺麗だったなあ)

(あそこに小さく見えるのは島で一番大きなホテルで、たくさんの人が泊まっていたなあ)


どんどん小さくなっていく礼文島を見ながら、この島で過ごした思い出が、走馬灯のように脳裏を駆け抜けていく。







景色も綺麗で、食べ物も美味しかったけど、

一番思い出に残っているのは、


礼文島で出会った人たちだった。











観光で来てくれた人、島で宿や飲食店を営んでいる人、いろんな人にお会いできた。





そしていざ礼文島を離れるとき、

真っ先に頭の中に浮かんだのは、島で出会った人たちだった。





礼文島での思い出を、ほんの少しでも残してあげることができただろうか。

島で暮らす人たちが、礼文島で暮らしている自分たちを、

ほんの少しでも、

今より好きになってもらえるような写真を、残してあげることができただろうか。






わからないけど。

この島で、みんなに、出会えて本当に良かった。


少なくとも僕にはそう思えた。













きっと「旅」っていうのは、単に遠い場所に移動するだけじゃなくって、


なにか新しいことに挑戦したり、

悩んでいたことに決断をしたり、

日常の中に小さな幸せを見つけたり、



ほんの小さなことでもいいから、

昨日までの自分から何かを変えて、新しい一歩を踏み出す。



そんなことを、旅っていうんじゃないだろうか。



もしそうだとしたら




旅の始まりは、いつも晴れ



きっと、そうだよね。





そんなことを思いながら顔を上げると、




早春の冷たい海に阻まれて、

さっきまで見えていた礼文島の姿は、

もうどこにもみえなくなっていた。






 
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